著者
本田 真大
出版者
北海道教育大学大学院教育学研究科学校臨床心理専攻
雑誌
学校臨床心理学研究 : 北海道教育大学大学院教育学研究科学校臨床心理学専攻研究紀要 (ISSN:13497251)
巻号頁・発行日
no.18, pp.29-39, 2021-03

本研究の目的は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)下において実施可能なソーシャルスキル教育として,援助要請意図の表明・読解スキルトレーニングを開発すること,ならびにCOVID-19に対するスティグマを探索的に検討することである。マスクを着用しソーシャルディスタンスを保ち,短時間の2人組の練習に限定された状況下で援助要請意図の表明と読解の練習を行った。中学生77名のデータの分析の結果,意思伝達スキルの向上が認められたが,被援助志向性には変容が見られなかった。また,COVID-19に対するスティグマが探索的に検討された結果,5つのカテゴリーが得られ,今後の研究上の課題が議論された。